注:以下の記事は昨年アップした分の転載です。
縦向きの動画について考えてみたよ
えー、最近になってやっと動画に興味を感じてきた私です。一応NYで学生していた時に、動画に関する授業も受けていました。8ミリフィルムで撮影して編集、ビデオで撮影してノンリニア編集、の2パターンでした。まぁそれから20年近く時が経っているので、概念の知識ぐらいしかありません。
で、動画を作るなら通常は「横長」の画面、今ならいわゆるハイビジョンの16:9のアスペクト比です。ビデオカメラやデジタルカメラの動画で撮影すれば、通常のカメラの構え方からして、何の疑問もなく横長で撮影します。しかしながら、スマートフォンの普及に伴い、手軽に撮れる機材がスマートフォンほとなってきました。スマートフォンといえば縦に握って使うものであり、アプリを起動してタップするだけで簡単に動画が撮れるものの、あえてスマートフォンを横に構えて直して撮影するということは、「一般的」には行われていないようです。その結果、よく見る動画として成り上がったのが「縦位置撮影」の動画です。自分のスマートフォンで撮って自分のスマートフォンで見るなら何の問題もありませんが、動画配信サービスを使ったり、モニターで見たりすると、左右に黒い部分が出て、画面も小さくなって、あまり美しい映像とは言えないと思います。
ハイビジョン(HDとか2Kって表示されるね)の縦横のピクセル数は、1920x1080pxなので、縦に16:9で撮影した動画を入れると、約1/3の画面しか表示できません。まぁ、カメラを縦位置で撮影しているので、仕方がないっちゃー仕方がないんです。
動画視聴のデバイスとタイミング
ネットで検索すると、「動画を見る」ことに関する調査がいくつかヒットします。ここでは引用しませんが大雑把にまとめると、7割の人がパソコンを、3割の人がスマートフォンやタブレットを使って動画を見ているようです。これを年代別に区分けると、10代と20代は圧倒的にスマートフォンで動画を見ているようです。ただ、これらの調査でいう「動画」って、何分のボリュームなのかよくわかりません。主観として言えることは、3分以内の動画であれば多くの場合、人やSNSで勧められた時に、そのまま使っているスマートフォンで見るのではないかと感じています。
つまり、「ちょっと見て欲しい動画」を提供しようと思ったら、スマートフォンの画面を最大限に利用出来る動画を作ってもいいんじゃないかなー、と思うようになったのです。それが、「縦動画」とか「縦位置動画」とか「縦型動画」と呼ばれるジャンルじゃないかと思うわけ。
ちなみに2015年3月のワシントンポストの記事では、「スマートフォンによる縦の動画はなんとバカバカしいことか!」と嘆いています。でもね、もはや人々は、パソコンを触っているよりも長い時間スマートフォンをいぢっているわけで、そのデバイスで確実に情報を伝えることが必要なんじゃないかなぁ。
というようなことを感じてサービスとして展開しているのが、アメリカで日記のメッセンジャーアプリの「SnapChat」であり、日本だと元LINEの社長が作ったサービス「C CHANNEL」などがあります。アプリを使うデバイスはスマートフォンで、スマートフォンは縦画面で見る、という当たり前の事実をそのまま利用しているだけですね。
名称にについて調べてみました。Googleの検索数で「縦動画」が約 22,000,000 件、「縦位置動画」が約 2,990,000 件、「縦型動画」約 9,940,000 件、というように、「縦動画」のヒット数が多かったので、以下は「縦動画」で進めます。
スマートフォンと動画メディア
私の場合、主に使うSNSがFacebookであり、Instagram、Twitterと使用頻度が下がっていきます。では、縦動画をFacebookでシェアしたとして、それをスマートフォン(以下私の場合でiPhone)で見た時に、ちゃんと縦画面で表示されるのかを試してみました。もちろんその他の有効手段として、ブログやホームページなどのサービスがあるので、それらでも縦動画が貼り付けることができるのかも考えてみました。
Facebookの場合、公式に「スマートフォンで撮影した動画は、そのまま表示されます」とあります。つまり、iPhoneで撮影した縦動画をそのままFacebookへアップロードした場合、そのまま縦で再生されます。それじゃー、Macで編集した縦動画はどうなのか、と思って作ってアップしてみたところ、問題なく縦再生されました。残念ながら、Facebookの動画をここへ貼り付けるやり方が上手くいかないので、割愛w
これは、Macでのブラウザ表示状態です。いわゆるタイムラインに挿入される画像(静止画も動画も)、つまりアイキャッチというヤツは、形が正方形に近い状態のために、左右に黒帯が付加されました。しかし、動き出せばちゃんと縦動画でフルスクリーンで見ることができました。
iPhoneで見るとどうだったかというと、サムネール状態ですでに縦で、タップして再生開始しても、ちゃんと縦動画として再生できました。
ただし、私のiPhone6 Plusの液晶は1080x1920pxなのですが、即フルスクリーンで再生されず、記事などが上下に出ます。すでに再生されているこの状態で画面をタップすると、ちゃんとフルスクリーンで再生されました。
動画をアップするサービスと言えば、YouTubeです。YouTubeの場合はどうでしょうか。軽く調べたところ、横長のアスペクトで、16:9か4:3をサポートしているようです。それでも縦動画、というか、アップした後に↑のような横に黒い画面が勝手につくのかどうか、という方向でやってみました。
その1は、作った縦動画(1080x1920px)をYouTubeへそのままアップロードしてみました。
うーん。YouTubeの再生前のサムネイル画面上はやはり両サイドに黒の画面が出ちゃいますね。しかもここ(WordPress)に通常の動画の貼り付けをすると、両サイドにやっぱり黒が出るし、再生自体も横長画面でした。
それじゃーってんで、動画リンクを貼り付けるときに、サイズを指定してみました。横315x縦560で指定してみました。
で、ご覧の通り、小さく、はならずに、ブログの横サイズいっぱいいっぱいw。しかし、あの黒画面はカットされて再生できます。これはWordPressというか、私が使っているテンプレートの仕様かもしれないので、なんとも言えません。
HTMLで記述できる仕様のブログやホームページなら、YouTubeの「埋め込みコード」を使って、ただし、widthを315、heightを560に書き換えて記述すれば、うまくいくかもしれません。
ちなみに、Facebookへ縦動画としてYouTubeへアップロードしたページをシェアで貼り付けてみました。
タイムラインの表示としては、MacのブラウザもiPhoneもほぼ同じ。で、動画をスタートさせると、ちゃんと縦動画でフルスクリーンで再生できました。よしよし。
もうひとつ、最初にYouTubeへは横長の動画としてアップして、YouTubeの動画編集機能を使って回転を戻す、というやり方が有効という情報を得たので、そっちもやってみました。ちなみにFacebookでの表示は同じで、問題なく縦動画として扱われました。
その1同様にサイズを指定してみましたが、うーん。大きいままだったかなw。ただ、YouTubeの中で編集をかけるので、普通にアップしたよりも画質が落ちるような気がします。
最後に、高画質なビデオを扱ってくれるSNSといえば、vimeoです。登録して、試してみました。vimeoは、高画質に動画を扱うことが前提となっているので、縦動画のようにアスペクト比が通常の16:9と異なっていても、ちゃんと受け入れてくれます。
縦動画のテスト from Hidema Nakajima on Vimeo.
こんな感じ。きちっと縦で行けました。やっぱりYouTubeより画質がいいですねw
最後にInstagramにも貼り付けてみました。
残念というか、やっぱりインスタグラムよねって感じで、正方形にカットされてしまいました。一応アップ前の編集で、切り取りを指定できるのですが、今回のようにHDそのままの縦長は、扱ってくれない模様です。縦長は4:5ぐらいが最大みたいです。iPhoneで撮影した縦動画を直接アップするとどうなのかは、次回にでも試してみたいと思います。逆に、正方形の動画って新鮮な感じでおもしろいなーと思いました。
縦動画のアップを色々やってみて
感想として、インスタグラム以外は縦動画に対応していることが多くて安心しました。実はvimeoは知っていましたが、使った(アカウント登録した)のは、今回が初めてです。いいですね。自分の作品としてアップするなら無料、商用利用するならProで料金を払わなければなりませんけど。徐々に使ってみようかな。
一番の懸案事項だった、Facebookで縦動画を見せるということに関しては、ほぼほぼ問題を感じない結果となりました。
まぁ、縦動画の問題というか、今後使うにあたっては、「作った動画をどのメディアで展開させるのか」ということを考えながら作らないとダメですね。撮影するときは、当然横長を意識して撮影しますし、編集します。これをパソコンなどのモニターで見せるのは、デバイス最大の能力を使うことなので、一番効果的です。しかしそのままスマートフォンなどへシェアすると、閲覧者がきちんと見るためにはデバイスを横に倒さなければならなくて、「シェアされた動画を気軽に綺麗に見る」ということを考えると、やっぱり縦動画がいいんじゃないかと思うわけです。動画撮影の魅力のひとつが「スチルと違い、撮影時に縦画面を意識しないで意識しないでOK」だったのですが、メディア展開を考えると「縦動画は後から考えて作る」なのか「最初から横と縦の展開を考えて撮ろう」なのかを計画する必要が出てくるかもしれません。
悪くはないと思うんですよねぇ。縦動画って。