まぁ、言葉というのは「生きている」と言えますね。私は国語研究家ではないので、以下は私の感覚的な話ですが、お付き合いください。
「写メ」とは?
この言葉の発生源は、2000年11月にツーカーから社名変更した携帯電話キャリアの「J-PHONE」(現在のSoftBank)が、カメラ付き携帯電話で撮影した写真をそのまま携帯電話の電子メールに添付して友人知人とメールのやり取りをしましょう、というサービスの呼称を「写メール」として宣伝を始めたこと。この「写メール」が徐々に日本語にありがちな短縮系口語として「写メ」として定着したもの。という認識です。
用法としては、「歩いていたら子猫を発見!写メールしたよ」と、撮った写真をメール添付して送ったよ、という文言と共に使っていました。ここも日本語にありがちな話で、「写メール」は行為を表す名詞だったところが、短縮に活用が入って「写メる」「写メった」など変化していきました。
その後「写メ」は、言葉が持っていた意味合いの変化として、メールに添付しなくとも、携帯電話で写真を撮っておく行為そものに対しても「写メ」という風潮が出ました。恐らく、カメラによる撮影は、「撮る」という言葉ですが、口語の「とる」という音には複数あるので、一発で「写真を撮る」という意味が伝達できるから「写メ」が広まったのかと推測しています。
まぁこの辺りの用法は既に「死語」と化しているので、使ったことがある世代は、まぁ40代前後以上ではないかと思われます。ただ、この世代では今でも使う人が多少いるように思えますけど。
「インスタ」も同様な方向
インスタグラムのサービスは、2010年10月6日に、iPhoneのアプリとしてApp Storeに登場しました。私も割と早い時期に導入しましたが、使い出したのはしばらく先で、注目してがっつり考えるようになったのは、2012年4月にFacebookが買収した後だと記憶しています。
インスタグラムが一般化して爆発的に使う人が増えたのは、ここ2年ぐらいじゃないかと思います。
やっぱり日本語の風習がここにも適応されて、「インスタグラム」が「インスタ」となり、「写メ」同様に名詞だった「インスタ」が動詞となって「写真を撮ってインスタグラムへアップする」こととなり、もう少し幅広く「写真を撮る」ことを「インスタする」と使用する人も出ています。
んで、ここに加えて「インスタ映え」という言葉がよく使われるようになってきました。「インスタ映え」というのは、インスタグラムのサービスそのものに「おしゃれ感」を求める傾向があって、インスタグラムにアップした時にフォロアーやその他から「いいね!」がもらえるような「見栄えのある被写体」に対して使われます。もちろんそのような傾向が入った写真に対しても、褒め言葉として使われますね。
同義語?
写真関係ではないですが、日本におけるインスタントメッセージサービスのデファクトスタンダードに成り上がった「LINE」にも同じ傾向があります。まぁLINE自体が3語しかないのでこれ以上短くすることもできないので、そのままを使い「LINEであなたにメッセージを送ったよ」という意味が含まれた「LINEしておいた」という言葉があります。ま、サービス名称そのものがそのサービスの行為を示す言葉、という意味で同義語に扱っても良いかと思います。
ということで
写真にまつわる「言葉」について考えてみました。言葉も栄枯盛衰。流行れば廃るものだとは思います。写メは風前の灯ですが、恐らくインスタグラムはサービスとして長生きしそうなので、インスタグラムに関する言葉は、今後も何か爆発的に流行る傾向が発見されれば、「インスタ映え」以外の言葉が創造されるかもしれませんね。
Photo by 木村直軌さん with SONY RX100M5
直軌さん!写メっていただき、ありがとうございました!