実際にやってみると「思ってたんとちゃう!(西田)」となりがちなことって多いです。そして昔からアドバイスを受けやすい行為も、それを跳ね飛ばす勢いでやってみようと思うと、意外と難しかったりします。
なんのことかって?
日の丸写真
日の丸を構図の特徴として捉えてやってみると、先日書いた通りに難しいデス。
その前になぜ「日の丸写真は敬遠されやすいのか」を考えてみましょう。
私は昔から写真に対する持論があります。いわゆる写真に慣れていない、写真を勉強したことがほぼない、そして美術に関することにもあまりアンテナが向いていない人々、これらの人を良く言えば「初心者」、立ち位置的な言い方をすれば「素人」、ざっくりと写真をやろうとしている人からすると「一般人」っていう人、といった呼び方をされてしまうみなさまと、写真をきちんと勉強したプロやエキスパートや、写真を趣味や楽しみにしている人からすると、大きな隔たりがあることは事実です。またカメラメーカーも、前者のみなさまが「写真を少しでも楽に、楽しんで撮ってもられるように」頑張って技術開発をしています。
以下は、「写真の上達具合には段階がある」という日本人が大好きな「上を見れば上位段者がいる」というステップアップ風味な意味合いを込めて、「初級者」と呼ぶことにします。
さて、写真初級者が陥りやすいことに対する私の持論ってことなんですが、それは「初級者はカメラという道具(含む携帯やスマートフォン)が望まれる持ち方そのままに構えて写真を撮ることが大半である」ということです。なんのこっちゃって? つまり、その昔のフィルムコンパクトカメラ全盛時代、ズームが付いたとはいえ、電源オンして、カメラはシャッターが付いている右手でグリップして、そのまま顔面目の前に掲げて、被写体へ向けて写真を撮ります。ほとんどの撮影の場合ね。つまりフィルムカメラ時代は、ズームが付いていようといまいと、製造される写真の大半は横位置で、カメラの初期設定焦点位置で、被写体が真ん中にある状態で写真を撮る、ということです。これをずいぶん昔から主張し続けていまして、「主張は正しかった」と社会的観察を長年眺めて思っています。
この持論が正しいと思い始めたのは、携帯電話が普及し始めて当然のようにカメラが搭載されて、携帯電話の液晶はちょっと縦長ですから、初級者のみなさまは、やっぱり携帯電話を握ったまま写真を撮りました。縦位置写真かフィルムカメラ時代と打って変わって増量され始めた第一歩です。携帯電話は発展してスマートフォンになりました。スマートフォンも画面は縦長です。今度は写真だけじゃなくて、動画機能も充実してきました。すると、テレビは横位置に固定されているのに、初級者のみなさまはスマートフォンを持ちやすく持ったまま写真も動画も撮影します。すると、縦位置写真はより増産され、動画も縦位置で撮ることが多くなりました。もうね、20年来訴えてきた持論は、完全に正しかったと証明されたようなもんです。キリッ。
写真を撮るための機材をそのままに構える人イコール初級者であり、写真を撮ろうとした次の瞬間にどのような絵を作ろうか考えて機材を操作しつつ構えるのが中級者以上の所業。ということです。
で、本題に戻ると、その初級者の中から、中級者へステップアップをしたくて、写真教室などに顔を出し、先生と呼ばれる人から「今まで撮った写真を見せてください」と言われ、とっておきを出したつもりなのに「この日の丸構図はいただけませんね」とバッサリやられるって寸法。そんなみなさまは、がっくりと肩を落としてしまうのです。あ、私はそーゆーことは言いませんけどね。
すなわち、「日の丸という構図は構図にあらず、初級者が陥りやすいミスである」という揶揄を込められた言葉が「日の丸写真」とか「日の丸構図」という呼び方をしてきたと言えませんかね。
しかしまぁ、日本人として大切な「日の丸」という名称をつけた構図の一種に対して、なんかバカにしたような言い方で使われるなんて、わたしゃー、許しませんよ。つーことで、逆説的な意味も込めて、よーし、おじさん、日の丸を頑張っちゃうよ、って感じた次第。
構図の作り方とかは、ただいま研究中なので、もう少ししたら書きたいと思います。
先日のきっかけを書いたコラムからの、決意表明的なコラムでした。
SONY α6500 + Leica Apo-Macro-Elmarit-R 100mm F2.8
よーくみてくださいね